相続・事業承継・M&A
特設サイト開設にあたって

弁護士 加藤真朗代表弁護士遺産分割等の相続に関する案件を受任してきた経験で強く感じることは、兄弟姉妹等親族間の紛争(=争族)は関わった人すべてに大きな傷跡を残すということです。自らが望む遺産分割が認められなかった人は当然のことながら、経済的な満足を得ることができた人であっても、親族間の断絶という結果までは避けることができません。

そこで、私は相続に関しお話しさせて頂く際には、『遺言を残すことは親の義務』と繰り返し遺言を作成されることをお勧めしてきました。適切な遺言を作成すれば、多くの場合に争族を回避することができるからです。

ご本人の抵抗感は別として、遺言を残すこと自体は容易にできることです。にもかかわらず、遺言を残さずに亡くなられ争族となる事例が多いことから、遺言の重要性をできる限り広く知って頂きたいと考え、平成26年に『相続の法律・税金と事業承継』(中央経済社)を公認会計士・税理士の末永雄一郎先生と共同編集という形で上梓いたしました。

それから7年、令和の時代に入っても、遺言さえ作成していたらこんな争いにならなかったのにと感じる事案と度々巡り会います。平成30年相続法改正により自筆証書遺言の保管制度が導入されるなど遺言を残すことの重要性が広く世の中に知られてきた現在でも、遺言を残さなかったことによる争族が後を絶ちません。とくに企業オーナーに係る相続の場合、そこから生じた紛争は当該企業をも巻き込み、企業経営・企業価値に大きな悪影響を与えることも珍しくありません。

この度、本特設サイトを開設した第一の理由は、やはり遺言を残すことの重要性を広く知って頂きたいと考えたからです。

もちろん、遺言さえ残せば常に争族が防げるわけではありません。遺留分を侵害する内容の遺言であれば、紛争を招くこともあります。それでも、多くの事案では、適切な内容の遺言を残すことで争族を回避できると確信しています。是非、適切な内容の遺言を残すことをご検討ください。

本特設サイトでは、雇用や技術の維持のために社会的に重要な課題である事業承継についても解説しています。

後継者難に苦しむ企業が多い現状では後継者がいること自体幸運なことかもしれませんが、後継者に対する円滑な事業承継に失敗すると、後継者が経営に十分な力を発揮できない場合や、酷い場合には経営権争いなどの内部紛争を招く場合もあります。

事業承継対策は、各社の置かれた状況によってやるべき対策は千差万別です。まずは、自社の場合の問題点を把握しなければなりません。 また、事業承継対策は、ある程度時間をかけて行うべきものであって、早く始めるに越したことはありません。

近時、事業承継対策として、М&Aが広く利用されるようになりました。後継者難の企業にあっては、親族への承継、役職員への承継に拘らず、М&Aが事業承継の一つの選択肢となることは、雇用や技術を守る観点からは望ましいことです。事業承継に悩んでいらっしゃる企業オーナーの方は、М&Aによる事業承継を一度検討されることをお勧めいたします。

また、変化の激しい今の時代、中小企業においても成長戦略としてМ&Aが当然のように利用されています。今まで、М&Aを検討してこなかった企業もМ&Aの利用を積極的に検討するべきです。

本特設サイトでは、今後も増加し続けるであろうМ&Aについて、売り手側・買い手側に分けて解説しています。

関西、とくに大阪は中小企業によって成り立っている街と言えます。大阪に本拠を置く弁護士として、本特設サイトでは、主に中小企業のオーナーの方向けに、相続・事業承継・М&Aに関する情報をご提供し続けたいと考えています。一般の方にとっては馴染みにくい法律ですが、できる限り分かりやすくお伝えするように努めますので、ご参考にしていただければ幸甚です。

弁護士 加藤真朗

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