事業承継②親族内承継における株式集約の重要性
■親族内承継をお考えの経営者様へ
・弁護士の必要性
現経営者に複数の相続人がいる場合には、何の準備もしていなければ、相続に伴い株式や事業用資産が複数の相続人に分散してしまうことがあります。
そうした事態を避けるためには、弁護士と相談し、事前に対策を講じておくことが重要となります。
・株式集約の重要性
事業承継を成功させるためには、株式の集約が不可欠です。
必ずしも、すべての株式を後継者に取得させる必要はありませんが、少なくとも、安定した経営権を確保するためには、定款変更・組織再編と言った重要事項において要求される株主総会特別決議の成立に必要な、総議決権の3分の2以上を後継者にて保有することが望ましいといえます。
後継者のみでは、総議決権の2/3以上を保有することが困難な場合には、後継者に協力してくれる安定株主に株式を保有させることを検討する必要があります。
株式の集約に失敗した場合、例えば、本来は親族間の対立に過ぎないものが、株主総会にも持ち込まれることとなります。
ひとたびそのような事態が生ずれば、経営の安定は害されることとなります。かかる事態が解決されるまでの間、中小企業の強みである経営の迅速性が損なわれることになりますし、解決するために多額のコストを要することもあります。
そのため、親族内承継を計画するにあたっては後継者あるいは安定株主への株式の集約をいかに実現するかという観点が非常に重要となります。