少数株主対策③ 議決権の再集中を図る方法Ⅱ-スクイーズ・アウト

「スクイーズ・アウト」とは、対象会社の支配株主が、対象会社の少数株主の有する株式の全部をその承諾を得ることなく、金銭その他の財産を対価として取得し、少数株主を閉め出すことをいいます。スクイーズ・アウトの内、少数株主に交付される対価が金銭である場合を、特に「キャッシュ・アウト」と呼びます。

スクイーズ・アウトは、その性質上、少数株主との紛争の端緒となることが多く、株式の買取価格につき折り合いがつかない場合には、当該価格は、最終的に裁判所が決定することとなります。そして、裁判所の決定する株式価格は、税務上の株式の評価とは異なり、特段の事情がない限り、継続企業であることを前提とした株式評価方法(DCF法等)を用いて算出されるのが主流であって、想定以上に高額化する傾向にあります。

そのため、スクイーズ・アウトの各手法は、原則として先に任意の買取り交渉を試み、これが不可能ないし著しく困難な場合に検討すべき手法といえます。

スクイーズ・アウトの実施には、高度で専門的な法的知識が要求され、法定手続も多いため、可及的に紛争の発生を予防し、また仮に発生した場合にも対処可能なよう準備するためにも、会社法に明るい弁護士の助言・関与が不可欠です。

次回以降、スクイーズ・アウトの具体的手法を3つ紹介します。

ページトップへ戻ります