少数株主対策⑧ 第三者割当と株主割当

募集株式の発行等の方法として、第三者割当と株主割当について説明します。

⑴ 第三者割当

「第三者割当」とは、特定の第三者に対して募集株式の発行等を行うことをいい、これによって少数株主の影響力を希釈化することができます。

もっとも、第三者割当に応じるための資金力がない場合には利用できませんし、また、新株の発行価額等によっては、少数株主との間で新株発行の効力を巡る争いが生じるリスクもあります。

また、発行価額が当該第三者にとって特に有利な金額(有利発行)である場合には、株主総会特別決議が必要的となり、当該株主総会において取締役に説明義務が課されるなど、特別の手続規制を受けますので注意が必要です。

 

⑵ 株主割当

「株主割当」とは、全ての株主に対して現状の株式の保有割合に応じて新たな株式取得の機会を与える募集株式の発行等をいいます。

少数株主との間の資金力に大きな差がある場合には、事実上第三者割当と同様の効果をもたらすことが可能となります。

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