組織再編⑤ 会社分割

会社分割とは、会社(分割会社)のその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を、他の既存会社(承継会社)又は分割により新設した会社(設立会社)に包括的に承継させる組織再編行為をいいます。

前者を吸収分割、後者を新設分割といいます。 

会社分割の対価は、分割会社に交付されます。分割会社に対価として交付された承継会社株式・設立会社株式を、剰余金の配当または全部取得条項付種類株式の取得対価として、分割会社株主に取得させることも可能です。この場合を、人的分割ということがあり、それ以外の場合を物的分割ということがあります 。人的分割については、分割会社債権者の異議手続を要しますが、剰余金配当に関する財源規制などが排除されています。

実務上は、人的分割を分割型分割、物的分割を分社型分割と呼ぶことが多くあります。

合弁会社の設立のため、2社以上の会社が分割会社となり共同して1社を設立する共同新設分割や、2社以上の会社が分割会社となり、同じ承継会社に吸収分割することも可能です。

会社分割は、会社の一事業部門を分社化(子会社化)するなどグループ再編に用いられます。

また、M&Aのスキームとして、吸収分割または新設分割後に承継会社または設立会社の株式を売却する手法が多用されます。経営状況の悪化した会社において、生き残らせるべき事業を会社分割により切り出すことで事業再生を図るケースも多くあります。

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