「会社内部紛争を防止するための非上場会社の株主管理・株主対策」株券8-株券発行会社における留意事項②

(2)問題点

上述したとおり、非公開会社である株券発行会社は、株主からの請求があるときは、株券を発行すべき義務(株券発行義務)を負っています。そして、株主から株券発行請求がなされたにもかかわらず、会社が不当に株券の発行を遅滞させた場合には、株券の交付がなくとも、株式譲渡が有効と判断される危険性があります。

さらに、株主からの株券発行請求があるにもかかわらずこれを放置して、これによって損害を被った者に対して、会社は損害賠償責任を負うと考えられます。

(3)予防策・解決策

株券発行会社は、株券発行義務を負っており、株主名簿上の名義人から株券発行請求がなされた場合には、特段の事情がない限り、遅滞なく株券を発行して、上記問題が生じる虞を排除する必要があります。

また、株券発行義務から完全に免れるためには、後述する株券不発行会社への移行手続を採るほかありません。 

<続く>

「会社内部紛争を防止するための非上場会社の株主管理・株主対策」株券9-株券発行会社における留意事項③

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