「会社内部紛争を防止するための非上場会社の株主管理・株主対策」株券12-株券発行会社における留意事項⑥
(1)株券発行会社か否かの確認方法
対象会社が、現在株券発行会社であるか否かを確認する方法として最も簡便かつ確実な方法は、登記事項証明書を確認することです。
また、対象会社が株券発行会社である場合には、株主名簿の記載事項として株券番号が記載され(会社法121条4号)、定款に株券を発行する旨の定めがされる(会社法214条)ため、株主名簿や定款を確認することも、株券発行会社か否かを確認する一方法といえます。
ただし、中小企業においては、株主名簿が整備されていない場合も多く、会社法施行前は原則として株券発行会社とみなされましたので、定款変更がなされていない限り、定款に株券を発行する旨の記載がない会社であっても、株券発行会社である会社が未だに相当数存在しています。
そのため、株主名簿や定款の記載のみに依拠して、株券発行会社か否かを判断するのは非常に危険です。
対象会社が過去に株券発行会社であったか否かを確認する方法は、履歴事項証明書や閉鎖事項証明書、定款変更(株券を発行する旨の定款規定の削除)に係る株主総会議事録、原始定款から現定款までの定款の変遷等によって確認することができます。
<続く>