相続の基礎知識④-法定相続人とその順位Ⅳ-
▎▎法定相続分とは
相続人が誰か判明した後に問題になるのは、各相続人の相続分はいくらなのかという点です。遺言書で、各相続人の相続分が定められている場合は、原則として遺言書の記載に従うことになりますが、遺言書がない場合は、各相続人の相続分は法定相続分(民法900)によって決まることになります。
ここで、法定相続分とは、法律上定められている相続財産に対する各相続人の持分のことです。法定相続分は持分であり、2分の1や、3分の1といった割合で表されます。具体的には、相続人の法定相続分は以下の表のとおりとなります。代襲相続人の法定相続分は被代襲者と同じです。
なお、昭和55年民法改正により、配偶者の法定相続分が引き上げられました。このため、昭和55年12月31日までに死亡した被相続人の相続については、改正前の民法が適用されます(以下の表の[]のとおりです)。
【相続人が配偶者と子のケース】
配偶者 |
第1子 |
第2子 |
第3子 |
|
配偶者 子 |
2分の1 [3分の1] |
2分の1 [3分の2] |
||
配偶者 子2人 |
2分の1 [3分の1] |
4分の1 [3分の1] |
4分の1 [3分の1] |
|
配偶者 子3人 |
2分の1 [3分の1] |
6分の1 [9分の2] |
6分の1 [9分の2] |
6分の1 [9分の2] |
配偶者 子X人 |
2分の1 [3分の1] |
子1人あたりの法定相続分 =2分の1÷子の人数 [3分の2] |
【相続人が配偶者と親のケース】
配偶者 |
親 |
親 |
|
配偶者 親1人 |
3分の2 [2分の1] |
3分の1 [2分の1] |
|
配偶者 親2人 |
3分の2 [2分の1] |
6分の1 [4分の1] |
6分の1 [4分の1] |
【相続人が配偶者と兄弟姉妹のケース】
配偶者 |
兄弟姉妹 |
兄弟姉妹 |
兄弟姉妹 |
|
配偶者 兄弟姉妹1人 |
4分の3 [3分の2] |
4分の1 [3分の1] |
||
配偶者 兄弟姉妹2人 |
4分の3 [3分の2] |
8分の1 [6分の1] |
8分の1 [6分の1] |
|
配偶者 兄弟姉妹3人 |
4分の3 [3分の2] |
12分の1 [9分の1] |
12分の1 [9分の1] |
12分の1 [9分の1] |
配偶者 兄弟姉妹X人 |
4分の3 [3分の2] |
兄弟姉妹1人あたりの法定相続分 =4分の1÷兄弟姉妹の人数 [3分の1] |
<続く>